「ポジティブな世代間連鎖」に敢えて目を向けてみる

「世代間連鎖」という言葉は最近では「貧困の世代間連鎖」「虐待の世代間連鎖」といった文脈の中で使われることも多く、一般的には「貧困や虐待といった問題が世代を超えて伝わっていくこと」とされています。

ネガティブで取り除かないといけない問題として認識されていることが多い。

しかし「世代間連鎖」は文字通り世代を超えて伝わっていくもの。
本来は「ポジティブ」「ネガティブ」、また「どちらとも言えない」など様々な側面があるものです。

世代を超えて何が伝わってきたのか。全体を見た上で、ありがたく受取りたい部分、また改善したい部分はどこにあるのかと考えた方が「アダルトチルドレンの回復」には有効です。

「ポジティブな世代間連鎖」に敢えて目を向けてみるとしたら、どんなものがあるでしょうか?

すぐに浮かばない場合は逆に極端な「ネガティブな世代間連鎖」を見てみるのもいいでしょう。

例えば、子どもの頃にひどい病気になっても、親に病院に連れていってもらえなかった人の場合。

その人が親になった時、子どもがひどい病気をしても病院へ連れて行くという考えがそもそも浮かばず、必要な医療処置が施されないまま放置されることがあります。
(こういった事例は医療ネグレクトと言われます。)

もし自分の両親がちゃんと医療機関に連れていってくれた経験があれば、自分が親になった時も自然と同じことをしようとするでしょう。

これは多くの人では当たり前すぎて敢えて意識することもないかもしれませんが、実際にはこういったネガティブな世代間連鎖によって命を落とす子どもがいるのも事実です。

自分の親がどんなにひどかったとしても、もしあなたが子どもの頃に医療をちゃんと受けられたとしたら、身体や命を守られる体験をしたら、それは次の世代にも引き継がれやすい。

「ポジティブな世代間連鎖」に敢えて目を向けてみることは、自分の生まれ、これまでの人生の歩みにかすかな光を見出すことにもつながります。

どんな暗闇の中にあったとしても、その先に光を見出そうとする。

AC回復はそんな道のりだと私は思っています。

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