*「アダルトチルドレン　エンタメ・レビュー」とは
ACに関する書籍はたくさんありますが、本を読むのはちょっと苦手という方もいるでしょう。
そんな時、映画などの娯楽（エンタメ）に触れることが役立つこともあります。
同じ作品を見ても人によって感じるものは様々ですが、「ACという課題を見つめなおす一つのキッカケ」という視点から、役立ちそうなものを紹介していきます。

ドキュメンタリー　「　“生命誕生”見えた！　母と子　ミクロの会話」

*参考
NHKオンデマンド
ＮＨＫスペシャル　シリーズ　人体　神秘の巨大ネットワーク　第６集「“生命誕生”見えた！母と子　ミクロの会話」
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2018086511SA000/

今回はドキュメンタリー番組です。

アダルトチルドレンの特徴の一つは自己否定が強いことでしょう。
ありのままの自分をなかなか認めることができずにいることは、大変苦しいものです。

また両親を否定する力が強ければ強いほど、自分が生まれた原点を否定することにもなり、ますます自己否定が強化される悪循環に陥ることも少なくありません。

逆に言えば、無意識の内に強化された「自分が生まれたこと」に対する否定感を和らげることができれば、心理的に楽になることもできるのです。

この番組では妊娠が起こり、生まれるまでの母親の胎内で起こることを最新の研究成果に基づき紹介しています。

誰もがこのプロセスを経て現在生きているのですが、実際にその期間にどんなことが起こっていたのか、生命誕生の事実を知れば知るほど、その神秘さに驚かされることでしょう。

また番組では、出産困難とされた女性が体外受精を行い、実際に出産するまでの過程も追っています。

受精の瞬間や、母親の体内で育つ胎児の姿。また出産を待ち望む母親や夫の様子を見ることも、生命誕生という事実に改めて向き合うキッカケになるかもしれません。

自分の両親がどんなに毒親であったとしても・・、この生命誕生の神秘的なプロセスは確実に歩んでいます。

そして「自分が生まれたこと」に対する、否定的な感覚が少しでも肯定的なものになると、アダルトチルドレンの課題に向き合いやすくなるのです。

一方でアダルトチルドレンの課題が非常に重たい人は、生命誕生の事実に向かうことすら難しいかもしれません。

怒りや悲しみが出て、事実を直視することが難しい場合は、現在の自分の状態を把握する一つの機会とするのも良いでしょう。

アダルトチルドレンからの解放・回復が進めば進むほど、生命誕生の事実を受け取りやすくなります。

今は向き合えなくとも、今後向き合えるようになった時に気付くのです。
「以前の自分に比べると、自分は回復したのだ・・。」

自分の回復の歩みを知る、一つの道しるべにもなるのです。

「自分が生まれたこと」に意識を向けることが、回復の一つのキッカケとなれば幸いです。