*「アダルトチルドレン エンタメ・レビュー」とは
アダルトチルドレン(AC)に関する書籍はたくさんありますが、本を読むのはちょっと苦手という方もいるでしょう。
そんな時、映画などの娯楽(エンタメ)に触れることが役立つこともあります。
同じ作品を見ても人によって感じるものは様々ですが、「ACという課題を見つめなおす一つのキッカケ」という視点から、役立ちそうなものを紹介していきます。
マンガ・TVドラマ 「 透明なゆりかご 」
*マンガ「透明なゆりかご」 紹介ページ(アマゾン) https://amzn.to/2OLZovC
(第1巻のみ、電子版は無料閲覧が可能。)
*NHKドラマ「透明なゆりかご」 公式サイト https://www.nhk.or.jp/drama10/yurikago/index.html
(過去の放送分はNHKオンデマンドで視聴可能(有料) https://www.nhk-ondemand.jp/ )
作品紹介(NHKのサイトより)
町の小さな産婦人科医院を舞台に、“命とは何か”を問い、見つめてゆく物語。
累計325万部超、20~30代の女性を中心に圧倒的な共感を呼んでいる漫画作品をドラマ化。物語は幸せな出産ばかりでなく、中絶や死産といった産婦人科の“影”の部分にも向き合いながら、時に明るく、時に切なく、主人公たちの命への“祈り”にも似た想いをつむいでゆく。
幼少期の様々な体験の中で、特に親との間の葛藤が大きい人は自分が歩んできた過去を無意識のうちに否定してしまいがちです。
そして「自分の過去」を否定すれる力が強ければ強いほど、「今の自分」を受け入れたり、自信を持つことが難しくなってしまうのです。
「自分の過去」への否定の中で、本人が意外と気付きにくいのが「自分が生まれたこと」に対する否定です。
自分の人生の起点、ここを否定することは心理的に相当つらいことです。
根源的だからこそ、意識しにくいところがあるように思います。
逆に言えば、この「自分が生まれたこと」に対する否定がゆるめば、自分で自分のことを認める「自己肯定感」が高まる、大きな力になるでしょう。
今回紹介する作品は小さな産婦人科で働く見習い看護師の物語です。
筆者が実際に産婦人科で働いていた時の体験を基に作られたもので、あまり知られていない妊娠や出産、中絶といったテーマで現実に起こっている様々なことをうかがい知ることが出来ます。
そして実際に起きていることに触れることが、普段敢えて意識することが少ない「自分が生まれたこと」に対する否定感をゆるめる、一つのキッカケになるでしょう。
またこの作品では性的暴行を受けた被害者の姿や、知的障害を持った人の妊娠・中絶など、結構重たいテーマも扱っています。
「性」に関することは、人間が生きていく中で避けて通ることのできないとても大切なことですが、一方で隠れたトラブルやトラウマになることも多い分野です。
「性」を考えることは「生」を考えることにもつながります。
普段は表立って語られることの少ない「性」について、改めてしっかり考えてみるキッカケにもなると思います。
そういった点からも、アダルトチルドレンの回復だけでなく、幅広い方にお勧めしやすい作品です。
マンガ版の第一巻はアマゾンなどで無料で見ることが出来ます。(2018年8月現在)
良かったら興味の合う方は是非読んでみてください。