子供に対し過干渉、無関心であったり、虐待・ネグレクトなど繰り返す機能不全な家族。
メディアに報じられるような虐待によって子どもが死に至るケースもあれば、周りからは裕福で明るい家庭のように見られ、虐待やネグレクトがなくても、子どもが一人で悩み・苦しみを抱えているケースもあります。
機能不全の内容や程度は様々ですが、こういった問題が起きる親子関係は突然変異のように何の前触れもなく現れるのではなく、「父方・母方の家系」に潜む課題がその親子関係に現れていることがほとんどだと思います。
■「父方・母方の家系」に潜む課題とは
少し分かりやすく言えば、父方・母方の親戚が集まった時に感じる独特の「ノリ」ってありますね。
このノリの背景にはその家系がある程度共通して持つ価値観や振る舞いがあります。
そしてこういったノリの中でネガティブな部分は、パートナーや子どもなど身近な人間関係の中で容赦なく現われてしまうのです。
例えば
・相手が自分の思い通りにならない時、暴力的な言動を使うことが当たり前になっている
→虐待につながる可能性あり
・世の中や人に対する信頼が極端に低く、無力感や被害者的な考え方をすることが多い
→愛情不足やネグレクトにつながる可能性あり
・絶対的な価値観を持っており、子どもに対してそれを極端に強いることが当然になっている。
絶対的な価値観とは「行くべき学校」「なるべき職業」「あるべき子どもの振る舞い」「宗教の教義」などがあります。
この傾向が強いと、子どもに対して過干渉になってしまう可能性があります。
上記に挙げた例はほんの一部に過ぎません。
金銭面や夫婦関係(男女関係)にトラブルが起きやすかったり、またエリート意識や「名家である」意識が強すぎて、基準から外れた人が落伍者の扱いを受けやすい家系のケースなどもあります。
年末年始やお盆、また結婚式やお葬式など冠婚葬祭の際は親戚に会うこともあるかもしれません。
「父方・母方の家系」 の課題に意識を向けることで、自分が子どもの頃、親はなぜあんな振る舞いをしたのか、それを紐解く一つのキッカケになることもあります。
ACの回復は親子関係がテーマですが、結果的に「家系の課題」が見えてくることが多い。
ACの回復は親子関係という「家族単位」だけではなく、「両親の家系」というネットワークの中に生まれた自分を見つめることで、これまで歩んできた人生を改めて活かすことにも繋がるのです。