「父親不信」のアダルトチルドレンが、極端な「医療不信」におちいるリスク

病院や医師などに不信感を持つ「医療不信」

医療ミスや医療機関の不祥事がしばしば報道されること。
ネットで医療を否定するネガティブな情報も多いこと。

また実際、病院でスタッフとコミュニケーションが上手くいかず、不信感を抱いてしまうこともあるでしょう。

本当は無ければ良いのですが、病院と患者さんとの間で、大きなギャップが出来てしまうことは、ある程度やもうえないように思います。

しかし中には、極端な「医療不信」におちいっている人も一定の割合でいるように感じます。

例えば、初めてその病院を訪れる初診の時に、医師に対して感情的に食って掛かるような態度で接する人。

こういった人はこれまで医療機関でひどい目に会ったのかもしれません。

しかし私には、そういった人達の背景の一つに、目の前の病院や医師とは全く関係なく「権威に対する強烈な不信感」があるように思えます。

そしてそうした不信感の背景の一つに、「助けてもらいたい人に、助けてもらえなかった」たくさんの体験があるように見えるのです。

「権威に対する強烈な不信」の原点は親への不信

小さな子どもにとって親は絶対的な存在です。

毎日の食事、身の回りの世話など、生活の大半を親に頼るしかありません。

また不安定な子どもの気持ちを受け止めてもらったり、なだめてもらったり、情緒的な役割も、多くの場合親に頼らざるおうえないでしょう。

小さな子どもには、生活面・情緒面で自分自身では手に負えないことが多く、親の助けが必要不可欠なのです。

ただ親もいつも子どもの要求に応えることはできません。
1日の全てを子どものために使える訳ではないのです。

しかし子どもが理不尽な「助けてもらいたい時、助けてもらえない」体験を繰り返し受けていたら。

親に助けてもらうどころか、自分を傷付けられる体験を繰り返していたとしたら。

子どもは心に大きな傷をおってしまいます。

そしてその体験は親の存在を象徴しやすい「権威」に対する不信につながりやすい。

特に父親は子どもにとって、心理的に「社会」や「権威」の象徴になりやすいため、「父親不信」のアダルトチルドレンは極端な「権威不信」におちいるリスクを持っていると言えるでしょう。

「親への不信」が強いと「権威」と上手く付き合いにくい

子どもにとっての絶対的な権威である「親への不信」が強い場合。
権威との付き合いが、極端になりがちです。

・どんなに不満があっても、自分を押し殺して権威に従う
もしくは
・権威に反抗して、なんとか自分を通そうとする

大きくはこのいづれかに触れがちです。
どちらにしても、権威とうまく付き合えない状態ですね。

しかも病院では、本人がコンディションが悪い状態でいることが多い。

つまり心身の状態が悪かったり、気持ち的にも不安な状態でくるため、余計にその人が潜在的に持っていた「心の課題」が現れやすいのです。

極端な「医療不信」でいることの問題点

では極端な「医療不信」でいることの問題点とはどんなものがあるでしょうか。

実際に下記のようなことがあるでしょう。
・状況を冷静に見ることができず、病院選択の判断が難しくなる
・病院スタッフと良好な関係を築きにくい
・(病院や治療方法について)思うよういかなかった経験を次に活かしにくい など

本人にとってとても好ましいものではありませんね。

まとめ

一般的に医療機関や医師は「権威」と受け止められています。
しかし心理的に「権威」と感じるものは、病院だけではありません。

会社員であれば、自分の仕事を大きく左右する「上司」、もしくは「会社の上層部」。
身近なところでは仕事の「先輩」なども、心理的な権威になりえます。

病院だけでなく、こういった人達とよりストレスが少なく対応できると良いですね。

アダルトチルドレン回復の道は「権威と上手く付き合える」ことにもつながるのです。

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