「虐待の世代間連鎖」
「貧困の世代間連鎖」
など
「世代間連鎖」と言えば、ネガティブなものとして認識されていることが多い。
アダルトチルドレンであれば
・親から影響受けたこと
・親の世代から引き継いできたもの
そこに「良いものなんてある訳がない!」
そう思われる人もいるでしょう。
実際そうとしか思えないようなケースもあります。
しかし
「自分が親の世代から影響受けてきたこと、引き継いできたもの」
をネガティブに捉えること。
それは心理的に「自己否定を強化すること」になります。
普段意識することはないかもしれませんが…
自分が受けてきた「世代間連鎖」のポジティブな面。
ここに敢えて目を向けてみること。
それは「自己肯定感」を高める
一つのキッカケ・ちからにもなるのです。
■母が覚えている幼少期のシーン
先日、母へのセッションの中で私が初めて聞いたことがありました。
母の小さい頃の記憶。
その一つは
「自分の母親(私にとっての祖母)が台所で歌を歌っているところ」
でした。
祖父は気性の粗い人でした。
家族をよく罵倒したり殴ったり。
祖母はしょっちゅう酷い言葉・暴力を受けていたそうです。
ひと騒動が終わった後。
小さな子どもだった母が祖母のことを心配して台所に行くと…。
祖母は一人で歌を歌っていた。
それを見た母親はちょっと安心した。
そんな光景だったのです。
■母も台所で歌っていた
祖母は理不尽な状況にどうすることも出来ず、歌を歌うことで自分を保っていたのかもしれません。
また歌うことで、子ども達を心配させないようにしていたのかもしれません。
私はその台所での光景に想いを向けると、物悲しい感じもします。
私の母親もよく台所で歌を歌っていました。
父が居ない日中。
でも母の場合は楽しみでやってる感じでした。
台所で家事をしながら歌ってたのです。
親が楽しそうにやっていること。
子どもは自然と魅かれます。
興味がわくし「自分もやってみたい」と思います。
母が好きでやっていた歌やピアノ。
その影響もあって私は小さい頃、ピアノを習っていた。
中学に入ってから吹奏楽部に入って大学まで続けました。
社会人になってから、楽器からは離れました。
しかし音楽はずっと好きで、今は合唱団に入っています。
アマチュアですが、縁があって昨年は米国の首都ワシントンでの公演旅行もやったのです。
学生時代しかできない貴重な体験。
音楽でつながる難しさと喜び。
いいこと、楽しいことばかりではありませんでした。
でも音楽に関われたのは、私の人生にとってとても有意義なものだったと思っています。
そして
「私が音楽に惹かれたキッカケは母だ。」
「母との葛藤は大きい…。でも音楽に関われたのは良かった。」
私はずっとそう思っていたのです。
■「歌・楽器好き」は祖母・母からの影響
しかし今回初めて、祖母が歌が好きで、そして楽器も好きだったことを知りました。
当時にしては珍しく、祖母はオルガンを弾けたのです。
「歌・楽器好き」な祖母の影響があって、母は音楽が好きになり。
そして母の影響・キッカケで私も好きになっていた。
そんな繋がり。
これまで一度も考えたことがありませんでした。
でも改めて考えてみると、これも「世代間連鎖」のようなもの。
『「好きなこと」の世代間連鎖』
意外とこういうこと。
あるかもしれませんね。
*「アダルトチルドレンの回復」の観点からみた「世代間連鎖」について。
以前別のサイト(一悟術)に詳しいものを寄稿しています。
更に深く知りたい方はこちらも是非ご参考ください。
アダルトチルドレンを生む「世代間連鎖」とは
https://www.ichigojyutsu.com/adult-children/rensa/