親から虐待され、学校では邪魔者扱い。
外面(そとづら)の良い両親。
親が家の外では「苦労する親」を演じる。
そのため周りの大人は、いつも子ども(自分)を悪者扱いしてしまう。
誰も助けてくれない。
こんな絶望的な状況にいる子どもは実際にいます。
大人になってこの親・家から逃げ出すことが唯一の希望。
しかし大人になって体は大きくなっても、心は重症の傷だらけ。
そのため、実際逃げだしても
・極度の精神不安
・人とコミュニケーションが十分に取れない
・体の不調
などがあって
持てる力を十分に発揮できない…。
こういった境遇の、本当にひどいケースを描いた小説が
先日電子書籍で出版されました。
ヘドロの国のアリス (つばさパブリッシング) Kindle版
https://amzn.to/3b2leqN
母親から「思い通りの着せ替え人形」になることを強制された女の子の物語。
著者の方とは以前「子どもの虐待防止に関する講演会」でお会いしたことがあります。
そのご縁で、今回本の出版をご紹介頂いたのです。
フィクションですが、子ども時代の虐待、家出後に風俗嬢になる経緯など、著者の体験を踏まえて書かれています。
そのためか…
文面から伝わってくるリアリティがすごい。
人によっては読み進めることが難しいかもしれません。
しかし極端なケースを目の当たりにすることで、 自分の視点が変わることもあります。
凝り固まっていた見方が緩み、自分の置かれている状況をより客観的に見やすくなるのです。
そういう意味で、この本はかなりの「劇薬本」です。
私自身、この本をなかなか読み進められませんでした。
読んでいるうちに絶望的な気持ちになる。
読み終わった後もスッキリしない(笑)
強烈な人生を歩む著者の生き方を前にして、私自身の歩みはたいしたことがないようにすら思えてくる。
でも…
「やはり自分は、自分自身の人生を生きていこう。」
強烈な刺激を受けて。
逆に強く、私はそう思えてきました。
「子ども時代の境遇」に翻弄される人生。
ここからいかに脱却するか。
やはりキーは「トラウマケア」にあるように思います。