「親権」をシェアするという発想はアリかも

東京大学で開催された、今一生さんの「子ども虐待防止策 講演会」に参加に参加してきました。

非常に面白かったのは、虐待防止のアイデアとして「親権をシェアする制度を作る」というものでした。

親権とは 「未成年の子どもを育てるために親が持つ権利と義務の総称」です。
そして現在の法制度では、この親権を両親だけに認めているのです。

ある意味、両親が子どもの親権を「独占」している状態です。

そのため下記のような問題があるでしょう。
両親と子どもの関係が閉鎖的になりやすく、虐待が起こる要因になりうる
子どもが虐待にあっても、第三者がその子どもを容易に保護できない
(親権を持たない者が子どもを保護すると、法的には誘拐になってしまう。)
子ども養育の経済的、精神的負担と責任が大きい
→余裕がないことが虐待を生む土壌になる。
→出産や子育てをためらう原因になる

そこで親権を両親以外の人にも認めるのが「親権シェア」です。

つまり子育ての権利と責任を他の人とシェアすることで、下記のような効果があると思います。
養育者と子どもの関係が開かれ、虐待が起こりにくい
両親に問題があった場合、他の養育者(親権保持者)がフォローしたり、成り代わることが容易
子ども養育の経済的、精神的負担と責任が小さくなる
→余裕が生まれることで、虐待が生まれにくくなる
→出産や子育てへのためらいが減る

もちろん「親権シェア」は全ての問題を解決する魔法の手段ではありません。
実現しようとすると多くの課題をクリアしなければならないでしょう。

しかしこういった社会の仕組み自体を変えることを真剣に考えたり、必要に応じて実行することはすごく意義があると思います。

私自身、普段は個人に対する心理面の改善というアプローチを行っていますが、合わせて社会的な取り組みにも、少し関わっていけたらと考えています。

*参考
今一生さんのブログ
(虐待防止にかける想いや活動状況が書かれています。)
http://con-isshow.blogspot.com/

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