「診察・カウンセリングの時間」は長ければ長い方が良いとは限らない

『 精神科・心療内科は「5分診療」 』
と言われることがあります。

「健康保険」に基づく医療では、どうしても時間の制約が出来てしまうのです…。

私が心療内科で心理カウンセラーとして勤めていた時。
幸い私は主に「自由診療」のメニューを担当していました。

「健康保険」の診察とは別に、追加でカウンセリングや心理面のトレーニングを行っていたのです。

そのため、比較的長い時間、患者さんと話しが出来ました。

しかし、それでも短く感じてしまいます。

では
「診察・カウンセリングの時間は長ければ長い方が良いか」
と言うと、私はそうとは限らないと思います。

状況に応じてある程度「効果的な時間の長さ」があると思っています。

もし「診察・カウンセリング」が3時間だったら…

敢えて、
極端な場面を考えてみることで、物事が見えやすくなることがあります。

実際にはあり得ませんが….
もし「診察・カウンセリングの時間」が3時間だったらどうでしょうか。

初診だと、まずは状況やこれまでの経緯を伝えるために、ある程度の時間が必要でしょう。

しかし2回目以降に
「3時間使える」
となったらどうでしょうか?

本命の「本当に相談したいこと、解決したいこと」。

ではないことを…
・話すことに時間を費やしてしまったり。
・意識が向いてしまったり。

また単純に途中で
・時間を持て余してしまったり。
するかもしれません。

極端に長い時間があったとしたら、
自分が解決したいと思っていることに、意外と集中し続けられないものなのです。

意識が次第に分散してしまい、
話しが続いていたとしても、次第に本人が本当にフォーカスしたかったところから外れてしまいやすい。

またこちらから色々お伝えしたとしても、
情報量が多すぎると本人が一杯になってしまって。
かえって受け取れなくなってしまうこともあります。

その時の状況によりますが
一回あたりの「ほど良い情報量」もあるものです。

つまり、
時間を長くかけても効果が出にくくなってくるのです。

では、
どれぐらいの時間であれば、自分が抱えている課題(心理面)の相談は効果的なのでしょうか?

よりしっかり「心」に向き合いやすいように

どんなタイプのセッション・カウンセリングかにもよると思います。

また初回なのか2回目以降なのかにもよるでしょう。

私が提供している、トラウマや感情のケアを中心としたものだと、多くの場合、だいたい40分程度が効果的だと思っています。

理由としては下記があります。

■クライアントさんがご自身の課題に意識をフォーカスし続けやすい

■こちらからお伝えしたこと(知識・アドバイスなど)が「情報過多」にならず、クライアントさんが活かしやすい

■比較的余裕はありつつも「限られた時間」を意識することで、クライアントさんがより主体的にセッションを活かしやすい


いづれにしても、
セッションを受けて頂くクライアントさんにとって「いい時間」「効果的な時間」になってもらえたらなと思っています。


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